封印邪歌 目次 / HOME PAGE


アニメ『マジンガーZ』に基づく私の独断的登場人物の紹介
ミネルバのフクロウは宵闇の訪れを待って飛び立つの参考に



マジンガーZ   まじんがーぜっと
 人類アニメ・漫画史上に燦然と輝く “人 間 が 乗 り 込 ん で 操 縦 す る ロ ボ ッ ト 第 一 号”。 それまでのロボットは、外部コントロール型(鉄人28号など)、もしくは、自己制御型(鉄腕アトムなど)だった。
 世界中で日本の富士山麓でのみ採取される金属元素ジャパニウムに由来する超合金Zをまとい、同じくジャパニウムに由来する光子力エネルギーを動力とする。
 頭部に合体するホバーパイルダー(後期はジェットパイルダー)によって操縦する。


兜 十蔵   かぶと じゅうぞう
 兜甲児、シローの祖父。博士号を持ち、世界的に高名な天才科学者。
 ジャパニウムを発見し、ジャパニウムから人類最後のエネルギーといわれる光子力の抽出に成功した。
 光子力の平和利用を標榜する光子力研究所の初代所長を務めていたが、周囲に理由を告げず、弓弦之助に研究所をまかせ、突然引退した。
 引退後は世間から姿を隠し、ひそかにマジンガーZを建造する。途中、息子夫婦(甲児たちの両親)を事故で亡くすという不幸にも見舞われたが、設計開始から15年の歳月を経てマジンガーZを完成させ、甲児に託した。
 ミケーネの機械獣を手に入れたドクターヘルの世界征服の野望を阻止するために、ロボットを作る――。
 それはいいけど、武器満載の巨大ロボットを孫に操縦させることを想定していたって…。いつ思いついたのか知らないけど、甲児が生まれたのはマジンガーZの設計を開始した年だったりするし。
 十蔵博士や、剣造博士(甲児たちの父)を見ていると、「兜 家 の 男 は 畳 の 上 で 死 ね な い」という妄想に取り付かれる。いや、甲児の母も畳の上で亡くなった可能性は低いけど。


兜 甲児   かぶと こうじ
 マジンガーZの操縦者。
 涼しい顔で校舎の二階から飛び降りてバイクにまたがったり、ドクターヘルのアンドロイドと素手で渡り合ったり、ロボット・乗り物がないときでもヒーローできる世代のヒーロー。
 両親早世、祖父不在がちの家庭環境で、都内の大邸宅に五歳下の弟と住み込みのお手伝いさんと暮らしながら、お金持ちのお坊ちゃんらしく、明るく向こう意気の強いお調子者。(光子力研究所の近くに引っ越してからは兄弟二人住まいになったが、家の見取り図には女中部屋がある)。
 この時代のロボットアニメヒーローらしく、正義感は真っ直ぐで十二分。しかもダイナミック作品キャラらしく素直にエッチでその自覚もあって、女性にしゃあしゃあと「おれは美人に弱い」などと言い、自分を慕う美人なら、それがロボットであってもデレデレする。
 弟シローに「オトキチ」と言われるくらいバイク好きで、カウル(cowl、風よけ)がついた赤いバイクを愛用している。
 が、当時の日本ではカウルを装着したバイクは認可されていなかった。
 というか、あの時代は、世界的にもカウルは揺籃期で、市販されたモデルに限って言うなら、1973年発売の某BMW社のビキニ・カウルが嚆矢、その成功で同社は1976年にフル・カウル・モデルを発売した。日本のバイクメーカーが、カウルつきモデルを市販するようになったのは、海外で1970年代の終わり、国内では80年代に入ってからだ。(詳細な情報を下さった某さま、ありがとうございます)
 そうすると、甲児のバイクは、金持ちの御曹司の特注品だったのか、それとも、発売前の外車を無理やり取り寄せたのか(BMWのバイクにまたがる甲児?)などと考えているうちに、ふと思いついたこと。
 彼は免許が取得可能な年齢以前から乗っていた雰囲気がある。
 もしかして、十蔵博士が、マジンガーZの操縦の基礎訓練をもくろんで、早ばやと孫にバイクを与えていたとか? うん、私の個人的なイメージだけど、十蔵博士ならやりかねない。
 で、あのバイクは、大リーグボール養成ギプスよろしく、私有地でのトレーニング走行を目的とした「おじいさんのお手製」だったとか?
 走行風による運転者の身体の負担を軽減するというカウルの機能は、長時間の乗車や高速道路乗車で、特に有効だ。
 「どうせ乗るのは、兜家の私有地内だ。だったら小柄な甲児が、何時間乗り回しても走行風でくたびれないように」と、祖父の情愛をこめて手ずからバイクを組み立てる十蔵博士の図――。見たいような、見たくないような。
 もっとも、甲児はあのバイクで、高速道路も含めて、公道を好き放題走っていたけど。(これだから、兜家の男は畳の上で…)
 なお、彼の戦闘服(作品中ではガードスーツと呼ばれる)は、「超合金Zでできていてサムライの鎧並みに強い」という公式設定がある。


兜 シロー   かぶと しろー
 甲児の五歳年下の弟。祖父の死後は、多分、甲児の唯一の肉親。
 光子力研究所近くで兄と二人住まいをするようになってからは、(おそらく山梨県下の)私立小学校に通学している。
 シローにとって甲児は、大好きな自慢のおにいちゃん。実際、面倒見の良い弟思いの兄だが、世話の焼けるおにいちゃんでもあり、シローも物心両面でこまごまと兄の世話を焼き、堂々と意見もする。お屋敷住まいのおぼっちゃんだったはずだが、兄弟二人の生活では、それなりに楽しそうに家事の切り盛りもしている。
 ドクターヘル陣に「マジンガーZの操縦者である兜甲児の弟」と認識されているため、配下のあしゅら男爵によって自宅から拉致され人質にされたこともある。
 しかし、その事件の後も、シローの日常生活が特に制約を受けている様子はない。
 シロー自身も 萎縮して引きこもったりせず、さやかとバイクでピクニックに行ったり、ボスたちと遊園地やサーカス見物に行ったり、ひとりで気ままに遠出してガールフレンドを作ったり、のびのびと暮らしている。


弓 弦之助   ゆみ げんのすけ
 光子力研究所の所長。光子力を平和に役立てることを託され、兜十蔵博士から所長職を引き継いだ。肩書きは教授。
 兜十蔵の一番弟子で、「基本構造はマジンガーZと同じだが、使命は平和の使者」というアフロダイAを設計・建造した。光子力研究所の研究事業の一環のようだ。
 親交ある外国の科学者のもとに直接出向いて技術的な相談をする、海外の学会に参加するなど「教授」らしい職務もこなすが、研究や教育に専念しているようではない。
 政府機関の会議に出席したり、ドクターヘルとの戦闘開始後は、政府機関と連携しながら事実上の戦闘司令官も務め、光子力研究所を再建するとなれば、作業服姿で工事現場に出張るなど、多岐にわたる仕事をひたすら自分で背負い込んで多忙になるタイプらしい。
 おそらく唯一の保護者だった祖父を亡くした甲児とシローの後見役も、当然のように引き受け、公私にわたって面倒を見ている。
 妻には先立たれたようで、家族は娘さやか一人らしい。さやかとともに光子力研究所内に居住している。


弓 さやか   ゆみ さやか
 アフロダイAの操縦者。
 バイク大好きで腕に覚えもありの、活発なはねっかえり娘。
 良家のお嬢さまなのにじゃじゃ馬というより、良家のお嬢さまゆえの怖いもの知らずとわがままが、陽性に、しかし時々ねじれながら発揮されている感じ。
 甲児と同年生まれながら高校に進学しないで、光子力研究所に所長の助手として勤務している。
 この「弓教授の助手」というのは、あまり知られてはいないが公式設定で、妄想竹栽培にあたってはどうとでもできる部分だけに、「さあ、どうしようか」とニヤニヤしながら立ち止まるところでもある。
 甲児本人には斜に構えて角(つの)突き合わせることが多いが、甲児に近づく女、あるいは甲児が近づく女には、誰彼かまわず素直に嫉妬する。本当、実に盛大に、この上なくド派手に、たとえ相手がロボットでも見境なく。


アフロダイA   あふろだいえーす
 人類アニメ・漫画史上に燦然と輝く “女 性 型 に し て 、 胸 部 が ミ サ イ ル と な っ て 飛 び 出 す ロ ボ ッ ト 第一号”。
 かれこれ30余年の時間が流れて、今の私はアフロダイAは「おっぱいミサイルがあって当たり前」という感覚になっているけど、企画が白紙状態だった段階を想像すると、とんでもないと発想だったと思う。
 良い子の皆様を中心に家族が集う日本全国のお茶の間に、少女が操縦するロボットが乳房をすっ飛ばすアニメが流れる――。
 改めて文章にすると、すごい迫力だ。
 当初は合金Z製だったアフロダイAだが、光子力研究所が戦闘モードに入ってから超合金Z製になったようだ。なにしろアフロダイAは、いつもボロボロにされていたから、修理のついでにそれくらいの装備強化はいくらでも可能だったはず。
 余談ながら、グレートマジンガーは超合金ニューZ製で、アニメ「グレートマジンガー」に登場するマジンガーZも超合金ニューZ製になっていた。
 私としては、合金Zから超合金ニューZまでを総称して、広義のジャパニウム合金と言うのか、とか考えたりする。まあ、今回の作品には関係ない独り言。


せわし博士、 のっそり博士、 もりもり博士
 光子力研究所の博士たちで、三人そろって「三博士(さんはかせ)」と呼ばれる。
 三人とも兜十蔵博士の弟子で、天才の一歩手前というのが公式設定。
 マジンガーZやアフロダイAの修理管理、関連技術の開発から、ガードスーツの製作まで職務の担当範囲は非常に広い。


ミネルバX   みねるばえっくす
 マジンガーZのサポートを目的として兜十蔵博士に設計されながら、世界征服を宣言した後のドクターヘルによって製作された女性型ロボット。
 基本的にはマジンガーZの女性版。
(2006.07.16 up)


第 一 話
封印邪歌 目次 / HOME PAGE