純金の童話 全2巻 プリンセス コミックス(秋田書店)
(ISBN4-253-07693-9、純金の童話(2) ISBN4-253-07694-7)


医術、占星術、錬金術、魔術に科学が同列の18世紀半ば、ルイ15世の頃のお話。
ポンパドゥール伯爵夫人はじめ華やかな貴族の美男美女が居並ぶ物語なのに、なぜかヒロインが「毒娘」。 もちろん美少女ですが。

かと思えば、貴族の独裁体制に甘んじる人々への批判がさりげなく折り込まれていたり、ロマンティック・サスペンスコメディーと銘打たれていても、DOZIさまならではの、一味ちがう作品。
実は、この作品は、フランス革命にいたるまでの壮大なドラマを予定していながら、諸般の事情からやむなくスケールダウンしたとか。

DOZIさまは、2000年7月よりプチフラワー(小学館)で連載している『杖と翼』で、ルイ16世時代のバスティーユ襲撃に端を発するフランス革命を描いています。
『アンジェリク』のルイ14世時代、『純金の童話』のルイ15世時代、そして『杖と翼』のフランス革命と、DOZIフランス史3部作になるのでしょうか?
リアルタイムの読者の特権で、しっかり見届けたいと思います。

[ 収録作品 ]
第1巻
純金の童話 第1話〜第3話
第2巻
純金の童話 第4話〜第6話
いと麗しき花の底 木原版「西鶴・好色五人女 ― お夏 ―」
(2000.10.17 up)