花ざかりのロマンス
初版 2000年5月23日
花ざかりのロマンス (集英社文庫)
ISBN4-08-785094-3
[ 収録作品 ]
銀色のロマンス
初出 週刊マーガレット 1973年38号
 げじげじ眉毛のフィービーちゃん、世にもうるわしい青年にプロポーズされて幸せいっぱいのはずだったのに、運命はかくも無常。
 このフィービー・コンスエコ・アトレイデ嬢は、拙サイト「DOZIさまがいいの! 10, コンスエラ・レポート」にも登場します。 『摩利と新吾』がお好きな方はぜひともご高覧下さいませ。
花ざかりのロマンス
初出 週刊マーガレット 1974年19号
 革命下のフランスでパリからピレネーへの道すがら、赤毛で反っ歯でそばかすだらけの幼女ドミの物語。
 時代は、人々の善意までいともたやすく飲み込むけれど、春はたけなわ花爛漫。狂ったように花が散る切なさです。
 「DOZIさまのメッセージ 2001年9月14日 その2」で、この作品についての木原先生が語ってくださいました。
落葉だらけのロマンス
初出 週刊マーガレット 1975年47号
 名家の美貌の御曹司アルマンディン・ガーネットは、幼き頃より「目指せ、ソドミアン! 」
 パール、オパール、トリマリンと名前からしてゴージャスな三つ子のおねえさま方が、名家につきもの後継者問題を持ち込んで、お父様も登場し…。なんてドタバタする中に、紛れ込んだのがジルコン=ダイヤモンドの代用品だったりして…。
日なたへ日かげへのロマンス
初出 LaLa 1976年9月号
 夏の軽井沢、日本中が太平洋戦争の傷を負っている昭和23年。年齢に関係なく自分の命は、日々、自分でつながなければならない時代。
 戦災孤児こぞと、暁生(あきお)の共同生活のささやかな安寧も、すさんだ時代の風にさらされてゆく。
 DOZIさまが、「せつないお話が大好きです。」と書いていた頃の作品。(書籍1に掲載している主婦の友社 / ロマンコミック 自選全集 14 『日なたへ日かげへのロマンス 』ご参照ください)

いとし君へのセレナーデ
初出 月刊セブンティーン 1974年2月号
 古き(アルト)学生街ハイデルベルクの下宿屋銀河荘に、大金持ちの貴族の若さまがやってきた。手には『あばしり一家』、これが彼の“しもじもの言葉遣い”のテキスト。 恋の鞘当、目つきの悪い牢番(DOZIさま)が仕切る学生牢と、騒ぎの種は尽きなくて。
 「おまえ18 おれはたち おぼえているかいハイデルベルク 学生町の花のころ」
ラストタンゴ
初出 mimi 1975年11月号
 身分違いの恋人に捨てられた母の哀しみを忘れるはずもないけれど、アスワンはパリの裏町でタフで陽気な極道ぐらし。 恋人ギャビーは赤毛でボインのかわいい踊り子、難しいタンゴのステップだって軽々と踏みます。
 象の中山(さきのなかやま)、また越ゆべしと思いきや、ラストタンゴ、わかれの絶唱。西行法師を強引にタンゴにしてしまうDOZIさまって、すごい。
・ ロックについて(角川木原敏江全集8の「おまけのぺーじ」再録)
・ 文庫版後書き 神秘の証明 (書き下ろし)
(2000.11.6 up / 02.07.01 追記)