ふるふる ― うたの旅日記 ―
初版 2008年02月19日
ふるふる ― うたの旅日記 ― 全一巻
 
(講談社 KCDX Kiss)ISBN978-4-08-865461-4

[ 収録作品 ]
ふるふる ― うたの旅日記 ―
  其ノ一 初出 YOU 2007年 7号
  其ノ一 初出 Beth 2006年 vol.1
  其ノ二 初出 Beth 2007年 vol.2
  其ノ三 初出 Beth 2007年 vol.4
  其ノ四 初出 Beth 2007年 vol.5
  其ノ五 初出 Beth 2007年 vol.6


  星降る 時経る 都古る
袖振る 魂震る
   うたは 奮る ふる・・・・・・
 咲く花候(ぞろ)よ

 DOZIさまが大好きな室町時代が舞台。
 なりゆきで、ともに旅をすることになった若者たちは、純粋で生真面目な修行僧・青蓮法師と、女と見まごう美貌ながら青蓮法師をダシに大儲けをたくらむ遊芸人・活流(いくる)と、十二単とおすべらかしも優雅な幽霊(記憶喪失で名前不明)。

 古今集、新古今集、梁塵秘抄、伊勢物語と、うるわしい「やまとことば」や言霊をふんだんにちりばめながら、聖と俗と物の怪(もののけ)三人組が、神仏混淆の浮世で珍道中を続けてゆきます。

 「あとがき」でDOZIさまが、青蓮の天然は新吾の雰囲気、活流の悪がきぶりは摩利の雰囲気とお書きになっています。
 ドジでほうっておけない女の子と、純情な一途な男の子と、しっかり者の男の子の三人組と、「週刊マーガレット時代のDOZI作品のお約束のキャラ配置」を思い出して、昔からの読者にはうれしい雰囲気でした。
 DOZIさまの作品の核になる部分は、ずっと変わらないなと安心します。
ああ、論文のようなあとがき。  木原敏江


ふるふる ― うたの旅日記 ―
(2008.05.17 up )